世の中には、「天中殺」の年は必ず運気が下がると信じて疑わない、一般の方がいるようです。そして、前々から思ってた、もっと重要なことがあります。それは・・・・
運気が下がる年は、「天中殺、空亡、大殺界」と言われる年以外にたくさんあるという事実を、まったく知らない方がかなり多いと感じます。「気にするだけ無駄な天中殺のこと」は徹底的にネットで調べ上げる情熱はあっても、私が言ってる本当に運気が下がる年は全く気に留めないし、知らないなんてね。
天中殺、空亡、大殺界の年については、「運気がすごく良い」可能性もあります(信じられないでしょうけど事実です)。しかし、私が気にする、「本当に運気が間違いなく下がる年、運気が良くない年(運気が下がる年が数年続く期間)」については運気が良い可能性はゼロです(ウソつけ!とお思いのことでしょうけど・・)。皆さん、まったく気にも留めないし、「え?そんな年あるの?天中殺が1番良くないんじゃないの?」ぐらいの認識しか無いのでしょう。
とにかく、天中殺よりも、もっと注意しないといけない時期があります。そんな「本当に運気が下がる年(時期)」こそ、皆さんは気に留めるべきです。
「それって、大運天中殺(たいうんてんちゅうさつ)とか、宿命大殺界(しゅくめいだいさっかい)のことでしょう?」と思った方へ。違います。
じゃあ、どんな年が本当に運気が下がるのか?を少しご紹介します。中国式の四柱推命理論で分かりやすく説明します。全ては説明しきれません。
天中殺よりも、忌神(いまがみ)の三合(さんごう)に気をつけましょう
天中殺を気にする人が、あいも変わらず多いです。心配無いのに、心配している。昔、天中殺で一儲けした、和泉(わいずみ)とかいう人がいました。
その和泉さんは、「天中殺は嘘でした」と公言しました。
それなのに未だに天中殺を信じる人が多い。天中殺は、心配無いのですが、少し心配しなければならない時期があります。それは、「忌神(いまがみ)の三合」です。天干に忌神(いまがみ)が有り、その忌神と同じ五行の三合(さんごう)が揃う時期です。
忌神(いまがみ)の三合の時期
例を挙げると下記になります。
●天干に甲、乙(忌神)がある場合、「亥、未、卯」が地支と行運を合わせて揃う時。
●天干に丙、丁(忌神)がある場合、「寅、午、戌」が地支と行運を合わせて揃う時。
●天干に庚、辛(忌神)がある場合、「巳、丑、酉」が地支と行運を合わせて揃う時。
●天干に壬、癸(忌神)がある場合、「申、子、辰」が地支と行運を合わせて揃う時。
これはあくまでも私の行う四柱推命での考え方です。他の流派については、「忌神の三合」という考え方自体、しないかもしれません。その点を断っておきます。
忌神の三合(いまがみのさんごう)により起こり得る出来事について
例えば、忌神の財星が壬か癸として、天干にあるとします。そして、命式、大運、年運で申、子、辰の「水の三合」が揃ったとしましょう。そしたら何が起きるか?相当に金が出て行く可能性があります。命式によっては大散財ですよ。その忌神が元々、命式において影響力のある忌神なら破産などもあり得ます。十分に注意すれば散財を防げますが、まあ現状維持はなかなか難しいと思います。
忌神の食神、傷官が壬、癸として、天干にあるとしましょう。そして、申、子、辰の「水の三合」が揃うと、どうなるか?女性なら結婚、恋愛は、その年に終わりやすい傾向、もしくは相手と喧嘩するとか、恋愛面では曲がり角です。場合によっては別れる可能性もあります。あとは不倫、浮気などに注意がいります。男性なら仕事で何か不名誉なことが起きて失職するとか、やはり恋愛では注意だし、事業をされてたら何か問題が起きやすいです。あと命式によっては、凄く疲れやすいでしょう。体力消耗の1年です。とにかく、忌神の三合(いまがみのさんごう)の時期は色々と注意が要ります。
天中殺(てんちゅうさつ)を気にするより、こういうことこそ注意するべきです。困ったことに、四柱推命の先生の中には、喜神(きしん)と忌神(いまがみ)の判定が正確にできない方も、いらっしゃる。また、いまだに天中殺、空亡を悪い時期と断定してしまう四柱推命の先生方もいるようです。これでは正確なリスク時期、事象が分かりません。
喜神と忌神の見極めも、そうやたらと難しいものでもないです。一流大学を出た頭脳じゃないと判断が難しいほどの理論でもありません。皆さんでも少し勉強すれば簡単に判断できます。私でも判断できるぐらいですから、皆さんも必ず分かります。
とにかく、本当の四柱推命では空亡(くうぼう)、天中殺(てんちゅうさつ)など一切用いないということです。じゃあ、「天中殺、空亡」を使ってる四柱推命のプロは何なの?とお思いになるでしょう。はっきり言いましょう。
その他の運気が下がる年(中国式の四柱推命理論より)
●春月生まれ(寅、卯、辰の月)で、忌神の庚、辛が巡る年(庚、辛の通変星は問わない)。大運と年運で庚(辛)がダブルで巡る年は注意。細かく言えば、日干が乙で喜神なら辛が良くない。日干が甲で喜神なら庚が良くない。
●日干が弱い身弱の内格の方で、官星(正官、偏官)が大運と年運でも同時に巡る年(時期)。同時に官星を強める十二支も巡ればさらに良くないです。食傷、財星も良くありません。
●天干にある大事な通変星(喜神に限る)をもろに剋す通変星が巡る年(大運、年運でダブルで巡る時など)。同時にその通変星を強める十二支が巡ると、さらに良くないです。
●天干にある大事な通変星(喜神)を強める唯一の根が地支にあって、その地支を冲や支合する十二支が巡る時。それらの時に、上記のケースが重なると、さらに注意。
●天干にある良くない通変星(忌神に限る)を強める干関係の通変星が大運、年運でダブルで巡る時など。
●従格(じゅうかく)の場合は、従神(じゅうしん)を剋したり、無作用にする十干が大運、年運で巡る時(重なると本当に注意)。
●地支に忌神の地支が多くあり、天干にその忌神の五行は無いが(2支、3支、4支とあって月令を得ているなど。専門用語で暗蔵養虎と言います)、行運でその忌神の地支と同じ五行の十干が巡った時。
本来の本当の四柱推命(八字、子平、命理、三命)とは?
ここで少し小話をします。本来の本場の四柱推命(中国などの子平、八字、命理、三命と呼ばれるもの)は、何百年前の中国にて人材登用や組織の人事、組織の調整のために、「地位の高いお偉いさん(大臣とか、その上の総理大臣)」が使っていたものです。例えば、下記のリンク先記事で出てくる、陳素庵さんは清代にて、日本で言えば総理大臣職の方でした。その陳素庵さんの著である、「子平錦綉集」の訳書が、私が最初に読んだ中国式の四柱推命の書になります。
神殺(しんさつ)や、通変星(つうへんせい)で吉凶を断定したり、十二運(じゅうにうん)で性格を見るとか、天中殺、空亡などを使う四柱推命は、中国の国家組織では一切使われていません。そのような四柱推命は、国家ではなく、「一般庶民の間」に広まった、言い方は悪いですが、当たるも八卦当たらぬも八卦な、「おみくじ四柱推命」です。本来の本当の四柱推命とは大きくかけ離れたものです。
天中殺、空亡、大殺界を恐れる方は、結局は、多数意見を信じやすい
天中殺、空亡、大殺界を気にして、不安になり、弊社に相談を申し込まれる方がいらっしゃいます。弊社が、「天中殺、空亡、大殺界の年が運気が下がる確率は50%ですよ!残り50%の方は、大殺界、天中殺、空亡の年は運気が良いですよ!」と本当のことを自信満々で主張しているのが気になるようです。
「本当かな~、天中殺、空亡、大殺界の年が運気が良いなんてこと本当にあるのだろうか?」と気になる。でもネット上では、天中殺の年は運気が不安定、良くない、新規なことは絶対にしないほうがいい、大人しくしていたほうがいい、天中殺年の結婚などもってのほか、天中殺年の結婚は、いずれ必ず離婚になるなんて自信満々で主張する方がほとんどです。
私の主張は少数意見です。
いったい、どっちが正しいのだろう?この武田って人、ただ、金儲けしたいだけで、実はウソを言っているんじゃない?詐欺師かも?と疑い始める(笑)。天中殺、空亡、大殺界はやっぱり怖いよ。気を付けるにこしたことないよという結論に落ち着く。
どうぞどうぞ、疑っていただいて構いません。ご自身が信じたいこと、信じられることを信じるのが1番いいのです。私は本当のことを言っているだけです。「多くの人に、本当のことを信じてもらえるような努力」は、12年ぐらい前はしてましたけど、今はもう面倒なので努めてしません(笑)。信じてもらえないと、私が困るわけでもありませんので。あくまでも「助言」として、天中殺、空亡、大殺界の年が運気が良いこともありますよ!と本当のことを言っているだけです。それでも信じてくれない(笑)。
みなさん、大殺界、天中殺、空亡を恐れすぎ!というのが、率直に思うところです。弊社は、信じてくれる方だけを相手にして(少数ながらいますので)、今後も仕事を行っていきます。