格局(かっきょく)というものは、人それぞれ、誰でも必ず定まるものです。格局が「無い」という人は存在しません。格局(かっきょく)、喜神(きしん)、忌神(いむかみ)を出さない四柱推命も世の中には存在しますが、それはそれで良いと思います。「全く違う四柱推命」自体を、同じ土俵に上げて論じて優劣を付けることは意味の無いことだと思ってます。
格局は重要?不要なもの?
しかし、あえて申し上げますが、格局(かっきょく)を出すのは四柱推命では「必須」だと断言します(あくまでも中国式四柱推命での考え方です)。それは何故か?
「良い五行(喜神)」、「良くない五行(忌神)」が見極めできないからです。喜神、忌神は分かるけど、格局は定まらないなんてことはあり得ません。格局が判断できれば、自ずと喜神、忌神が出るのが四柱推命であります。
喜神(きしん)、忌神(いむかみ)さえ分かれば、あとは縦横無尽に色々な四柱推命判断がスラスラとできていきます。逆を言えば、喜神、忌神が分からずに、色々な物事の良し悪しをどうやって判断するのか?と言いたい。
正官(せいかん)にも良い正官(せいかん)もあれば、良くない正官(せいかん)もある。その良し悪しを見極めることが、「喜神・忌神を出す」ということです。土剋水(どこくすい)にも、「良い土剋水」もあれば、「良くない土剋水」もある。さて、どっちなのか?を見極めるのが、格局を出して、喜神・忌神を出すということです。
あと、五行バランスをあまりに気にし過ぎて、何でも平均的にするのが良いとばかり考えてるのも、どうなのでしょう。偏印(へんいん)が食神(しょくしん)を剋す、皆さんが大好きな、「倒食(とうしょく)」というものも、「良い倒食」と、「良くない倒食」があります。さて、どっちだろう?と考えて、「倒食だから良くないに決まってる!」と主張する方は、申し訳ないけど私からすると勉強不足なのです。
現実的に、倒食にも、良い倒食(偏印が食神を剋すほうが良い命式)もあるのです。そういう点を見極める為には、格局を出さないといけません。厳しい言い方をすると、格局が分からないことには、四柱推命はお話にならないということです。
ところが、そういう、お話にならない四柱推命をいつまでも後生大事にやってらっしゃる方が沢山、日本にいらっしゃる。それはそれで良いのですが、そんな格局、喜神、忌神を出さない四柱推命で人様を判断してて、(合わないな・・。当たってない・・)と心の中で感じることは全く無いのだろうかと考えてしまいます。まあ上手いことされてるのでしょう。
しかし、「喜神、忌神」を出さない四柱推命をやってて、良い時期、良くない時期の判断は正確にできるんだろうかと少し不安を覚えます。格局を出して、喜、忌を見極めて、大運、年運(干と支)を絡めて判断すれば、精度は飛躍的に高くなります。そのような四柱推命を弊社では行ってます。
同じ命式でも、四柱推命流派により、格局はバラバラなのが当たり前です。それが普通です。
四柱推命の流派により、格局成立の基準は様々です。私からすると、どう見ても従財格(じゅうざいかく)なのを、「従財格(じゅうざいかく)には絶対にならない」と判断する流派もあります。言わば流派により格局判断は「バラバラ」なんです。それが普通であり、それが四柱推命の世界です。どこが正しいなどは「無い」というのが私の考えです。だから、「よその格局判断はおかしい!」と主張する奴こそ、「おかしい」と思ってます(笑)。
その、「流派により格局判断はバラバラ」なのを理解していない、「頭カチコチな四柱推命プロ」は非常に面倒です(男に多いです)。さも、「俺の流派の格局判断が絶対に正しいんだ、よその格局判断は誤りだ」などと強弁(きょうべん)する方を見かけたら、「この方は己(おのれ)の流派こそ1番だ!というプライドが高い方なのね」と思えばいいです。
もうイチイチ、そんなプライドの高い方に真っ向から反論はしませんが、流派によって四柱推命理論自体が違うんだから、それを無視して、「こんな四柱推命理論や考え方は間違っている」とか、なんだと言ったって、しょうがないでしょう。
私からすると、「よその流派の四柱推命は、うちとは違うね~」とは思いますが、その先の「だから、よその四柱推命はおかしいんだ、間違っているんだ」とは言いませんよ。それを言ってしまうのは良くないと思うからです。ところがそれを頻繁に言ってると感じる流派が日本にあります(笑)。この流派自体が悪いのではなく、そういうことを平気で言う少々頭が固い人間が、その流派には何故か多いということかもしれません。
用神(ようじん)の意味、定義は四柱推命流派により違います。
あと、「用神(ようじん)」という用語の意味ですが、これも流派により見解はバラバラです。一般的に言われているのは、「喜神の中で、最も良い(助けになる)喜神」という意味合いです。私の行う中国式四柱推命では、「用神(ようじん)」の意味は少し違います(詳しく説明すると長くなるので省略します)。四柱推命流派により、「用神(ようじん)の意味」が違うのが四柱推命の世界です。
その点を無視して、「用神(ようじん)を出さない四柱推命はおかしいだ」とか、「喜神と用神を混同している(区別していない)四柱推命はレベルが低い四柱推命だ」のような記事を目にすると、「また出た!、己(おのれ)の流派こそ1番人間だ」と思います(笑)。
私の行う中国式の四柱推命で、「用神(ようじん)」を出さない(表記しない)理由を言いましょう。それは「わざわざ用神と、喜神を区別せずとも、中国式四柱推命を真面目に学んだ方は、喜神の中でどれが1番良い作用か、喜神の中でどれがあまり良い作用は無いか」が自身ではっきりと分かっているからです。
よその流派の、「用神が大好き」な皆々様がご丁寧に表記されている、「用神(ようじん)」というものに該当する作用をなす喜神は「これだ!」と、中国式四柱推命をされる先生方は自身ではっきりと分かっています。少なくとも私は、はっきりと分かっています。例えば下記のような喜、忌の命式があるとします。
喜神 水、木
忌神 金、火、土
※上記の記載では、用神(ようじん)の表記はしていませんが、「喜神の水(壬、癸)、木(甲、乙)はどれも同程度の喜神の作用である。良さに差は無い。1番良い作用するものは不明」などと一言も言っていません(笑)。それなのに、「喜神 水、木」などと見かけると、「この四柱推命では、用神が出てない、喜神と用神の区別ができないのではダメだ。この四柱推命流派はダメだ」と決めつけるよその流派のプロをネット上で見かけます。
なんで四柱推命の世界って、よその流派への寛容さが無いのだろう?とつくづく思います。たぶん、「競争意識」があるのでしょう。よその流派の理論上の不備、不足を指摘すれば、こちらが優位に立てるなどの意識が無意識に出ていると思います。気持ちは分かります。相手をやっつけないと、こっちが倒れてしまう(収入が減る)かもしれないのがプロの世界ですから。
もう勝手に思えばいいですよ。こっちは喜神それぞれに「良さの違い、程度、どのように良いのか、喜神だがさほど良さは無い」などをはっきりと見当付けてますので、ご安心を。そのくらいできますわ。でも表記上は「喜神 水 、木」なんです。用神(喜神の中でも、最も良い喜神という意味)などはあえて記載しません。よその流派の表記の仕方にケチを付ける四柱推命プロが多いと感じるので、このように意見を書いてみました。
何度も言いますが、私の行う中国式の四柱推命では、「喜神の中でどれが本当に良いか」は分かっているから、あえて表記しないのです。別に、よその流派の第三者に伝えなくとも、その命式の方への鑑定アドバイスの際に、「喜神の中でも最も良い作用をする喜神」を考慮して、相談者さまにアドバイスすれば、それで事足ります。それが理由です。
流派により、「用神(ようじん)」の定義が違うのです。その点をどうかご理解ください。もう面倒です。
格局(かっきょく)の種類 ※中国式四柱推命の理論による
弊社でやってる中国式の四柱推命(四柱推命通信講座で教えてる四柱推命)で用いる格局の種類を紹介します。数えるほどしかありませんので誰でもすぐに覚えられます。世の中には百以上も格局の種類がある四柱推命も存在するようですが、おそらく古典的な四柱推命でしょう(昔の日本の四柱推命家の書に、格局名が沢山書いてるものがあります)。
細かく言えば他にも色々ありますが、代表的なものを挙げます。
※下記に当てはまらない変則的な命式も少しあります。
- 身弱の内格(みじゃくのないかく)
- 身強の内格(みきょうのないかく)
- 従旺格(じゅうおうかく)
- 従強格(じゅうきょうかく)
- 従児格(じゅうじかく)
- 従財格(じゅうざいかく)
- 従殺格(じゅうさつかく)
- 一行得気格(いちぎょうとっきかく)
- 両神成象格(りょうしんせいしょうかく)
- 印多身弱(いんたみじゃく)
上記に挙げた格局はわずかに10種類だけです。大体、どんな方でも、この10種類の格局に当てはまります。偏印格とか、正官格とか、そういう通変星の名前を格局にする考えもありますが、私はこのやり方は無視してます(身弱、身強が即座に分らない格局名なので、実用的ではない)。天干の中で1番強い通変星が良くも悪くも1番作用が目立ちやすいので、そこが判断できるなら何も問題無いと考えてます。
じゃあ、どの格局が良くて、どの格局が良くないのか?という点に興味を持つ方も少なくないでしょうけど、これは一概には言えません。例えば、従旺格(じゅうおうかく)を1つ挙げても、「非常に良いと言える従旺格」もあれば、「あまり良くない従旺格」もあるからです。
身弱の内格でも、バランスの良い身弱の内格で、大運の流れが良いと、比較的に安定した豊かな人生を送れます。財星が喜神で強い従財格であっても、大運の流れが良くないと借金で苦労することがあります。
よって、「格局名だけでは、人生の良し悪し、生まれの良し悪しは決まらない(分らない)」と言えます。
従格(じゅうかく)だから良いとか、身強(みきょう)の内格だから良いとか、身弱(みじゃく)の内格だから弱い人生とか、そんなことは一概には言えませんし決まらないということです。私のこれまでの実践経験上での感じることですが、人並みな普通の穏やかな幸せを望むなら、従格ではなく、内格のほうが合ってるように思います。従格の方はご自身の身の活かし方をよくよく見極めて仕事を選ばないと、悩み、葛藤、苦労が多くなる方がいらっしゃいます。
勉強になった命式(命式の公開はしません)
お客様の命式を拝見するのは、非常に勉強になります。解釈の勉強にもなりますし、「格局判断」の勉強にもなります。今でも、格局判断に悩む命式は多くあります。現在、ご相談を申し込まれているお客様の命式は本当に迷いました。格局の判断に悩む場合は、私は素直にお客様にあれこれ質問させていただいてます。プロなら質問せずにスムーズに格局判断すべきかもしれませんが、私はそんな考えはなく、「誤った格局判断でアドバイスするほど無意味なものはない」と考えてます。
弊社の四柱推命は、あれこれ何も聞かずに言い当てるような四柱推命ではありません。格局判断に迷う場合は、お客様に、あれこれお聞きしてます。格局判断が容易な命式なら何も質問しません。現在、ご相談を受けてるお客様の命式を見て、「この格局だろう」と見当をつけて、その格局での考えられる健康面の事柄や、解釈を、お客様に質問したところ、全てと言っていいくらい、正反対の答えが返ってきました。
「おかしいな」と感じて、自身の格局判断の誤りに気付きました。こんなケースは本当に稀です。大体は、私が見当をつけた格局で正しいことが殆どですが(95%ぐらい)、今回はことごとく全てと言っていいほど、私が質問した内容と正反対のお答えが返ってくるので(格局判断が正しければ、それはありえないことです)、益々、混迷していき、30分ほど、ウンウン考えました。
そして、「この格局は絶対にないだろう」と思ってた格局に該当するのでは?とようやく気付いて、ストンと合点がいきました。その絶対にあり得ないと決め付けていた格局は、格局成立の定義上は、「ありえないことはない」のですが、私の勝手な固定概念のために、「ありえないだろう」と勝手に決め付けていました。そのありえないと決め付けていた格局での解釈だと、面白いように、お客様からの情報と、良い時期、そうでない時期が一致します。今回のようなケースは、ここ数年でもなかったことなので、本当に勉強になりました。まだまだ難しい命式は沢山あります。
個人的に好きな格局
私が最近、特に注目している好きな格局があります。それは印多身弱(いんたみじゃく)です。なぜ注目しているか?というと五行バランスから想定される性格に反してというか、人柄が良い方が多いのです(私が接してきた限りでは)。これまでに、多くの印多身弱(いんたみじゃく)の人と接した経験がありますし、私の友人(男性)にも印多身弱の人物がいますが、例外なく性格が良いのです。何でだろう?色々考えたけど、理由が分かりません(笑)。
奥ゆかしいというか、つつましいというか。まあ、これは私個人の感じていることなので、他の方はそのように感じないかもしれません。
格局による性格判断
身弱の内格、身強の内格でも人柄の良い人、そうでない人に分かれます。凄くいい人もいれば嫌なやつもいます。従格(じゅうかく)については、大体は好きですが、一部の従格(五行の状態に特徴あり)はあまり好きではありません。これまでに多くの従旺格、従強格、従財格、従児格、従殺格の方のお客様とメールや電話、対面などでやり取りをしてきましたが、大体、皆さん、性格がいいです(笑)。曇りがなく、明るく元気で前向きで素直なので、話してて元気が沸いてくる感じがします。
比肩、劫財の強い従旺格の人はさぞかし、パワフルで頑固でカチカチで剛健な性格だろうと考える方がいるかもしれませんが、それは誤った先入観です。従神(比肩、劫財)が適度に強い従旺格の方は穏やかで落ちついてて、女性の方はとても女性らしくて可愛げがあります。ただ、たまに男勝りに仕事をしている従旺格の女性の方もいますが、皆さん、そうではないです。ただ、どんなに辛い時でも泣き言、弱音はあまり吐かない感じがします。普段は女性っぽいけど、いざという時はどっしり構えてます。
身弱の内格(みじゃくのないかく)ってなに?
四柱推命で数ある格局のうちの1つに、「身弱の内格(みじゃくのないかく)」という格局があります(私だけの呼称かもしれません)。身弱の内格(みじゃくのないかく)とは大雑把に言えば、「日干(にっかん)が弱い状態だが、従格(じゅうかく)にはならない命式」と言えます。何のことやら、サッパリわからないかもしれませんが、今回、お伝えしたいのは、「身弱の内格って運勢はいいの、悪いの?あまり良くない生まれなの?」という点についてです。
身弱の内格って弱い命式?身弱(みじゃく)について
私がこれまでに多くのお客様を視てきて、「この格局で、こういう命式だと、人生が平穏な感じでいいな」と思うものがあります。それは、「身弱の内格(みじゃくのないかく)」です。そして、その身弱の内格で、「五行のバランスの均衡が取れてる命式」が良く、さらに大運も喜神が長いこと続くと、本当に恵まれた人生を歩む方が少なくありません。
ご自身の命式が身弱の内格(みじゃくのないかく)に該当するかどうか気になる方は、四柱推命の専門家に聞いてみてください(念のために記載しますが、弊社では有料相談の際に、格局のみのお伝えはしていません)。くれぐれも早合点や、独断での判断には注意してください。身弱の内格(みじゃくのないかく)だと思ったら、身弱の従格(みじゃくのじゅうかく)だったってこともあり得ます。そうなると喜神、忌神はすべて反対になります。